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エバーグリーンツーリスト > ざ・男旅 > 男旅雑談 > 本当に美味いもの。でも涙の味がする。
こんばんは。”おでん”です。
50歳になったおでん”の父親は、すでに87歳。
工業系の学校を卒業して、満州に渡りあの”満州鉄道”で技術者として
働いていました。
ところが戦争で生活が一変し、命からがら親類をたよって秋田に引き上げて
来たのです。
終戦直後は食うにも苦労したそうですが、さいわい海沿いに暮らしていたため、
ハタハタの獲れる時期だけは腹いっぱい食うことができたそうです。
文字通り、海の色が変わるほどハタハタの大群が産卵のために波打ち際まで
おしよせてきて、あっという間にバケツいっぱいになったそうです。
浜には仲買人が大勢来ていて、現金でどんどん買い取ってくれたため
つかの間の幸せに包まれたそうです。
そんな命を繋いでくれたハタハタが父親にとっては、大のご馳走で
毎年この時期に「ハタハタ寿司」という郷土料理を取り寄せます。
ハタハタの身を糀に付けこんだ味付けは、上品にして繊細。
素材の味をそのまま封じ込めた極上の保存食なのです。
父は一口ずつ味わいながら食します。
人噛みごとに当時を思い出すんでしょうね・・・・・・。
”おでん”も小さいころからこの時期が待ちどうしく思ってました。
もうすぐ「ハタハタ寿司」が届きます。
今年も幸せをいただけそうです。
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