エバーグリーンツーリスト

みなさんこんばんわ。”おでん”です。

”おでん”は「口から心臓が飛び出すほどの」恐怖を体験しました。聞いてください。

それは、６月２５日火曜日深夜２時の出来事でした。
以前のブログでも紹介したように、”おでん”は海釣りが大好きで、その晩も釣り友の
”Ｔ”と連れ立ち茨城の海へと出かけたのです。その日は仕事の都合でいつもより
遅い深夜０時に宇都宮を出発。大洗に着いたのは２時になってしまいました。

もう少し早い時間だと、夜釣りの釣り人が数人はいるのですが、さすがに２時になると
だれもいない暗い堤防と、漁船が数隻風に揺らせて停泊していました。

釣り座が決まり、忙しく準備をして２時半には魚信を
待つべく「待ちモード」に入りました。

ここからは、実況そのままにお伝えします・・・・。

”Ｔ”とふたり、タバコに火をつけて暗い海を見ていると
どこからか女性の声がしたような・・・・・

”おでん”と”Ｔ”は「まさかなー」という思いで顔を見合わせ、ちょっと小首を傾げる。
”Ｔ”　　「船のロープか、船が擦れ合うと声のように聞こえることがあるんだよな」
”おでん”　　「でも、まるで女の人の声みたいだよな」

２０秒後、「タスケテクダサーイ・・・」　　

”おでん”　　「まるで、助けてくださーい」って言ってるようだよな。
”Ｔ”　　　　　「　・・・・・・・　」

３０秒後　「タスケテクダサーイ・・・」

”おでん”　　「うん・・・」　　首を傾げる
”Ｔ”　　　　　「うん・・・」　　首を傾げる

２０秒後、「タスケテクダサーイ・・・」

”Ｔ”　大声で「何処だー」

２０秒後、「タスケテクダサーイ・・・」

”おでん”はイタズラを嫌がる漁船がわざと女性の声を録音して、悪者が近ずくとこれを
流して、追い払うような細工をしているのだろうなどと考えていました。　
だって、どこを見渡しても人っ子一人いないし、ましてや女性がいるなんて・・・　

ところが！

”おでん”　「どこですかー？場所を言ってくださーい」

１０秒後、「ココデース」！！！！！！！　ギョエー！！！

”Ｔ”　「おい、どこだー」

２０秒後、「船の下です」

懐中電灯とヘッドランプで必死に海を照らしますが、どこにも姿が見えません。

２０秒後、「タスケテクダサーイ」

その時、”Ｔ”が「うあー！！！！」と叫ぶ・・・・・

”おでん”がその先に見たものは、真っ青の顔をした女性で上半身だけ水面から上に
浮いており、無表情でもその目はしっかりとわれわれを見ている、まさに人間でした。

”おでん”は一瞬考えました。「声がするということは、生きているんだよな・・・・」

”Ｔ”が　「だいじょうぶですか？」と声をかけると「ハイ」とだけ返事をしました。
”おでん”はすぐに警察と消防に電話をして事情を説明。
３分ほどで、パトカーが到着。　さらに５分後にはレスキュー隊と救急車が到着。
救出作業が開始されました。

さすがに、海のそばだけあってレスキュー隊は映画の「海猿」そのままにウエットスーツに
身を包み、堤防から素早くハシゴを下ろして女性を救出にかかりました。
その女性は冷たい海に長時間浸かっていたせいか、体がまったく動かず、さらに腕が
片方ないため、３人ががりでタンカーに移し、堤防の上にいる別な隊員が引き上げる
という連携でやっと、陸に引き上げたのです。

その一部始終を目撃した”おでん”は、正直「よかった・・・」とホッとした反面、さまざまな
疑問が脳裏をよぎるのです。

どうしてこんな真夜中に女性が一人で海に来たのだろう？
片腕でどうやって海に浮いていたのだろう？
われわれが準備をしていた３０分の間に、どうして声を出さなかったのだろう？

さまざまな憶測が飛び交うのですが、一つ言えることはわれわれがあの場所に行かな
かったらはたしてあと何分生存していられたのかどうか・・・・？

余談ですが、人命救助もあとがたいへんでしたよ。
さまざまな事情聴取が待ち受けており、警察、消防、救急、海上保安庁と４回も同じ
ことを証言して、さらに氏名、住所、生年月日、職業などうんざりするほど質問を受けた
のでした。

でも、日本の警察やレスキューは本当に”職業意識”が高い！
レスキューが救出するとすぐさま救急隊が引き継ぎ、救急車の中で体を温めて手当て
をほどこす。その間に警察が家族に連絡したり、この女性のほかに遭難者がいないか
海を捜索。　部門を越えた連携で、”命”が救われるのだな・・・と実感しました。

”おでん”の大好きなフィリピンの警察とは大違い！！！　この国に生まれて良かった。

最後に、今回の件で暫くの間”夜の海”には近寄れそうにありません。
ましてや、一人で夜釣りなどは考えられなくなりました。

「やっぱり海は昼間に楽しむところだよ」　　とほほ・・・・

昼間はこんな感じの場所です。