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異色の旅行書籍をご紹介します。

皆さま、こんにちは。最近しばしば登場の”おでん”でございます。

空港交通が暇になると登場する「若槻ちなつ」や「野沢ナオコ」のような

存在なのです。あしからず・・・・・。

 

今日は、一冊の旅行記をご紹介させてください。

とつくに.jpg
福田恒男著「とつくにの薔薇」です。

帯タイトルにもあるように、百か国を

旅された感想を短歌形式で表現。

”漫葉集”とややパロディー風に各国

の感想や体験談を謳っています。

 実は”おでん”は著者の福田さんとは

約20年来の知り合いで、最初はある

視覚障害者の団体ツアーで添乗員と

お客様の関係で出逢いました。

福田さんは40代でご病気により視力を失いました。

健常者時代は、県内でも指折りの進学校で、英語の教諭として教鞭を

ふるっておられました。失明以降は盲学校にて教壇にに立ち、盲人でも

健常者と同じように海外旅行を楽しみ、世界を味わう喜びを生徒さんたちに伝え

続けたのです。これはこの本の末頁の著者プロフィールにも書かれていないことなので

紹介するべきか迷いましたが、福田先生の影響で旅行の楽しみや、可能性を大きく

夢持てる盲者が多数いることをお伝えしたかったのです。

 

 

黒き人.JPG「温かき心溢れる黒き人を、奴隷にせしは白き悪魔か」 

                         (ケニアにて)

このような詩で各国の感想を表現しています。

このうち”おでん”と共に訪れた地は、カナダ、トルコ

タイ、台湾、インドネシア、フィリピンなど6か国10回に

およびます。確か後半の3回は、マニラ、セブ、アンヘルスと

世俗的かつ風俗的な旅行は”おでん”のご指名が多く、

ある意味「確かな眼」を持っていると感じます。

 

セブ島では、人生初のスキューバの体験ダイビングも楽しみました。

その際に感じた詩も載っていました。

「生命の発祥源たる海中に、潜りて得たり新たなる生命」  

「清冽さをいつまで享受出来るのか、珊瑚よ貝よ海星よ海栗よ」

少々の練習の後、ボンベを背負い約5メートルほど潜水して

海底で触れた珊瑚や生き物たちを表現しています。

先にもお伝えした通り、福田先生は中途失明のため過去に見えていた

記憶と盲目としての感性が融合して、健常者とは異なる感じ方が

伝わってきます。

 

最後に「僕にとっての人間国宝」福田恒男さん。

まだまだ長生きしてください。でもいよいよ最後の旅行と決めた際は

”おでん”添乗員といっしょに再びフィリピンに行きましょうね!

 

ご紹介した福田恒男著「とつくにの薔薇」は来月10月1日より

文芸社から定価1500円で発売となります。

ちなみに「とつくに」とは”異邦”。日本以外の外国という意味です。

是非お近くの書店にてご注文くださいませ。

 

 

 

ニュース投稿日 : 2017年09月11日 / TOP
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